鼓童提供楽曲”春風”

みなさま!まずはこちらの動画をご覧ください。

いかがででしたでしょうか!?
太鼓マニアの皆様なら既にご存知ですよね!?
本日は鼓童提供楽曲”春風”作曲者の住吉佑太さんにインタビューいたします。
自己紹介お願いします!

小学2年生より和太鼓を始める。2010年研修所入所、2013年よりメンバー。舞台では主に太鼓、笛、を担当。軽やかなバチ捌きを得意とする。また「草分け」、「結」、「炯炯」、「綾織」など、舞台の要となる数々の楽曲を生み出す鼓童のサウンドメーカー。2018年には新作舞台「巡 -MEGURU-」を初演出。鼓童の舞台のこれからを創りだすキーパーソンの一人である。
2018年には「Evolution」ヨーロッパツアー、「初音ミク×鼓童 スペシャルライブ2018」、「道」、新作歌舞伎「幽玄」に出演。「FUJI ROCK FESTIVAL’18」では出演のほか鼓童パートの演出を行った。2019年は「Evolution」北米ツアーに参加。2020年、鼓童×ロベール・ルパージュ〈NOVA〉では音楽監督を務める。
(鼓童オフィシャルウェブサイトより)

太鼓芸能集団「鼓童」の住吉佑太です。
佐渡に渡って10年が経ちました!
三浦祐輝さんは私の1つ先輩で、数ヶ月だけですが、共に鼓童研修所で過ごした仲です(笑)

先輩って言ってもらえて嬉しいです(笑)研修所のエピソードはまたいつか・・・。
早速ですが、なぜ提供楽曲を作ろうと思ったんでしょうか?

自分もアマチュアの太鼓グループで、ずっと太鼓をやっていたんですが、コピーバンドのためのスコアは売られていても、太鼓のスコアって、ほとんど売られていなかったなぁという記憶があって。
今、太鼓界に必要なのは、楽曲の数だと思っています。
良し悪しは置いておいて、みんながいろんな曲に触れられる、そんな環境が必要です。
クラシック音楽には、レベルごとにたくさんの楽曲があって、演奏者は曲を通して様々なことを学べます。
太鼓音楽はまだ歴史も浅いので、そこを充実させるところから、皆がいろいろな価値観に触れる機会を増やしていきたいです。
太鼓界にはまだ、誰かの曲をコピーしてみる、カバーするという文化が根付いていません。
「してはいけない」という空気すら感じます。
あとは、それを嫌がる風潮もあるんじゃないかなと思います。
例えばクラシックの世界なんかでは
おいおい、あいつも「エリーゼのために」弾いちゃってるよ
っていう話にはならないと思うんです笑
もちろん、著作権の問題も大きくあるんですが
そこにはちょっとしたそれぞれの意地みたいなものもあったり…笑
それを取っ払う1つのきっかけになればと思い、鼓童提供楽曲という取り組みを始めました。
この取り組み自体は、鼓童の専売特許でもなんでもなくて、プロアマ問わず、みんなが楽曲をシェアできる、そんな太鼓界になればいいなと、こっそり思っています!!

春風のイメージ

他団体のカバーやコピーに後ろめたさを感じてしまうのは、現在の和太鼓界の良くない風潮だと思っていました。
“春風”はどのようなイメージで作曲されましたか?

最初は、フレッシュな高校生が演奏する!というイメージで作り始めました笑
自分の高校時代を振り返ったときに、授業で習った、高浜虚子の「春風や闘志抱きて丘に立つ」という俳句が思い出されて、その句をコンセプトに作曲しました。

おお!僕はこの曲を初めて拝見したとき、高校の和太鼓部の人たちがこの曲を演奏しているイメージが浮かんできました!
ぜひ高校生に向けてご教授頂きたいのですが、”春風”が上手くなる効果的な練習方法はありますか?
春風の練習方法

効果的な練習…笑
この曲に限らず「何を、どうしたいか」という明確な練習の目標があることが大事だと思います。
まず自分たちで課題を見つけるところから、いろいろな仮説を立てては実証、結果をフィードバックして、また次の仮説を立てる。
例えば「キメのリズムを、もっと揃えたい」といったときに、「リズムの前の拍で、みんなで息を吸ってみよう!」という仮説を立てて、やってみる。
みんなでフィードバックして、うまくいったなとか、そういう問題じゃないな、とか話し合って、「次はもっと足の裏の踏みを意識してみよう!」みたいな次の仮説を立てる。それを繰り返す!
この練習方法はアンサンブルだけじゃなく、個人の技術的な稽古にもいかせます。
「自分がどんな太鼓を打ちたいか」という大前提の心構えも大切です。
ぜひ、実践してみてください!

太鼓もPDCAサイクルを回してくのが重要なんですね。ビジネスと一緒だなぁ・・・。
続きまして質問させて頂きます!この楽曲の肝となるリズムを教えてください。
春風の肝となるリズムとは?

ずばり、休符です!!
休符を合わせる、打っていないところを合わせる、音と音の間を合わせる、音が出る前を合わせる。
音は出た瞬間から過去のものになっていきます。
音が聞こえてから合わせるのは不可能です。
そして何より、お客さんの心を動かすのは、音自体ではなく、どういう音を出そうとしているか、というその一瞬の気だと思っています。
皆が振りかぶった瞬間に、舞台上の空気が動くような!
そのためにも、口唱歌の「ん」をしっかり歌うこと!
音が出るまでの具体的な身体的プロセスをしっかり研究すること!が大切になってくるかと思います。

(わー すごい抽象的になった・・・ PDCAからの落差がすごい・・・)
なるほど休符ですね!
各パートの役割・イメージを教えてもらえますか?
各パートの役割

アンサンブルリーダーは、センターの担ぎ桶です。
リズムの中核を担っているわけですが、春風においては、笛のリズム感もかなり重要になってきます。
特に最初のシーンは、笛以外にリズムを出している人がいないので、笛もパキパキと吹き込んでいくことが、アンサンブルの安定に繋がります。


そうそう!和太鼓団体だと音量とピッチを求められがちなのですが、笛のリズム感って大事ですよね〜。
“春風”をカバーする上で悩んでる方も多いと思うのですが。鼓童オリジナル楽器が、所属団体にない場合はどうすればいいですか?

音色が近ければ、どんな太鼓でも代用可能です!
第二弾ありますか・・・?

ですよね!!!(笑)ありがとうございます!!!
ちなみに・・・このインタビューで聞いていいのか分からないのですが・・・第二弾はありますか?

あります!!
引き続き、いろんな形式の曲を打ち出していきたいと思っています!
プロアマ問わず、たくさんの方と楽曲を通して、価値観を擦り合わせていけると嬉しいです!

わー!!!すごい!!!楽しみにしています!!!
住吉さん!!!ありがとうございました!
“春風”アングル色々ver.
TV出演情報
TBS「じょんのび日本遺産」
【放送日時】
2020年2月2日(日)6時〜6時45分 予定
【放送局】TBSテレビ(関東ネット)
【出演】ナタリー・エモンズ、森本レオ
https://www.kodo.or.jp/info/program/23401

春風が・・・見れるかも!!??
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