和太鼓業界のアップル 慶長元年創業 愛知県岡崎市 三浦太鼓店にインタビュー

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三浦ユーキ
三浦ユーキ

皆さん、太鼓ライフ楽しんでいますか?三浦ユーキです。今日は愛知県岡崎市にある、三浦太鼓店さんへインタビューです。名字はたまたま一緒なだけです。

三浦太鼓店は住宅地に!?

三浦ユーキ
三浦ユーキ

千葉から都内行って宮澤編集長を拾って、岡崎まで7時間掛かりました・・・。それっぽいとこ発見したけどどうやって行くの?

同行してくれた宮澤編集長
宮澤
宮澤

社長!入口発見しました!

三浦ユーキ
三浦ユーキ

ここから・・・??

宮澤
宮澤

この先です!

三浦ユーキ
三浦ユーキ

あったー!!!!

それでは先代に早速お話伺います。

三浦太鼓店 五代目 彌市 三浦宏之さん
三浦ユーキ
三浦ユーキ

五代目!よろしくお願いいたします。

三浦宏之さん
三浦宏之さん

三浦太鼓店 五代目の三浦宏之です。よろしくお願いします。
三浦太鼓店は慶応元年(1865年)創業になります。当時は職人さんも抱えて手広くやっていたそうです。しかし戦争やお祭り人口の減少によって仕事は減り、移転を繰り返してだんだんと規模は小さくなっていきました。
私の代までは三浦太鼓店を続けようかと思っていまして、先代の仕事は小さい頃から手伝っていました。
正式に私が三浦太鼓店を継いだときには、そこまで仕事がなくサラリーマンとの兼業でした。平日は母が仕事を受ける店番をし、私は土日に太鼓を作るような生活を20年くらいは続けていましたね。

三浦ユーキ
三浦ユーキ

おおおお・・・五代目はそんなご苦労をされていたのですね。

写真真ん中が三浦太鼓店創業者の三浦彌市さん
三浦宏之さん
三浦宏之さん

1990年頃から世の中の太鼓のニーズが変化したのをご存知でしょうか?それまではお祭りやお囃子、神事などにしか使われていなかった太鼓が学校教育や舞台で使われました。 趣味で太鼓をする人が増えてきたのも、ちょうどその頃です。仕事が増えてきたためサラリーマンは辞め、専業で太鼓職人になったんです。ちなみに現在の店主の六代目も一度はサラリーマンを経験しているんですよ。
今から20年前にHPを立ち上げたり、DMの送付をしたりと始めまして、徐々に仕事は増えていきました。現在では従業員10名を抱えるまでになりました。

三浦ユーキ
三浦ユーキ

これから和太鼓市場はどのようになっていくとお考えでしょうか?

三浦宏之さん
三浦宏之さん

太鼓ブームは一段落して、世の中で太鼓は余っているんです。これから先も三浦太鼓店を続けていくためには、他の太鼓店がやっていないことをやらなければいけないですよね。
三浦太鼓店も現在2か所ある作業場を統合し、来年春に新たな作業場を作る予定です。

三浦ユーキ
三浦ユーキ

おお!新たな作業場が出来ましたらまた取材させて下さい。
五代目!ありがとうございました。それでは六代目のいらっしゃる、もう一つの作業場にお邪魔しましょう!

宮澤編集長は文字起こし担当。
活きた和太鼓の音っていい言葉だなぁ
社是!

六代目 彌市 三浦和也さん

三浦太鼓店 六代目 彌市 三浦和也さん
三浦ユーキ
三浦ユーキ

もう一つの作業場に移動して参りました。それでは六代目!よろしくお願いたします。

三浦和也さん
三浦和也さん

三浦太鼓店 六代目 彌市の三浦和也です。よろしくお願いします。

三浦ユーキ
三浦ユーキ

(彌市って名前を継いでいくのかっこいいなぁ〜)
六代目は自身も和太鼓を演奏する異色の太鼓職人ですよね!?何かキッカケがあったのでしょうか?

三浦和也さん
三浦和也さん

まず私が太鼓職人を始めたのは19歳の時です。バチを握ったこともなく、むしろ太鼓は嫌いでした。ある時、太鼓をやっているおばちゃんがお店にバチを買いに来ました。そこで「職人なのに若いね。太鼓叩けるんでしょ?」 と言われたのですが、太鼓を全く叩けない自分に恥ずかしさを覚えたんです。このままではダメだと思い一念発起して太鼓を始めました。24歳のときに和太鼓零~ZERO~(http://wadaikozero.com/)を立ち上げました。

和太鼓零~ZERO~
三浦ユーキ
三浦ユーキ

自身が太鼓を叩くことは、太鼓作りにどのような影響がありましたか?

三浦和也さん
三浦和也さん

自分で使ってみないと本当のニーズというのが分からないことに気づきました。太鼓職人として太鼓の形は作れていたのですが、太鼓は形がゴールではありません。音がゴールです。音は叩いてみないとわからないので、自ら叩くことによって太鼓に対するこだわりや理解が深まりました。

三浦ユーキ
三浦ユーキ

太鼓を叩くこと自体は楽しかったですか?

三浦和也さん
三浦和也さん

楽しかったです(笑)どっぷりハマってしまいました。
そこで自分が舞台で使いたい太鼓を作り始めたんです。大きい太鼓打ちたいなとか、かっこいいカラーの太鼓欲しいな、とか。
勝手に作った自分用の太鼓を見た周りの人が「何それ!?欲しい!」と言ってくれまして、それが商品になっていったんです。

三浦ユーキ
三浦ユーキ

おー!自身が太鼓職人だからこそできる芸当ですね!

三浦和也さん
三浦和也さん

自分が欲しいと思ったら勢いで太鼓を作ってしまいます(笑)

三浦ユーキ
三浦ユーキ

(うらやましすぎる・・・)

塗装中の桶胴
三浦ユーキ
三浦ユーキ

太鼓作りで意識していることはありますか?

三浦和也さん
三浦和也さん

形や見た目の美しさはもちろんですが、やっぱり音です。音を伝える楽器ですから。あとは”本物”であることです。

三浦ユーキ
三浦ユーキ

五代目にとっての”本物”とは?

三浦和也さん
三浦和也さん

例えば、ご依頼頂く仕事の中には古い太鼓の修理というものがあります。500年前の太鼓なんて、見た目はボロボロで形も大きく歪んでいます。でも、その太鼓がなぜ今こうやって自分の目の前に存在しているのかを、太鼓と向かい合って考えてみました。壊れたら捨てる世の中、買い換えるのが当たり前の世の中です。この太鼓を後世に残したいという先人の想いが、その太鼓からは伝わってきたんです。修理した後に太鼓を叩いてみたら、活きた音色が響きました。
一例ですがそれが”本物”であることだと思います。そういうものを作れば、後世に繋がっていくのではないでしょうか。
人の心に届く・言葉はいらない・感動が連鎖する・次の時代につながるような太鼓を作ろうと常々意識しています。

微妙に大きさの異なる鉋が沢山
三浦ユーキ
三浦ユーキ

今の時代に求められる太鼓の役割についてはどのようにお考えですか?

三浦和也さん
三浦和也さん

昔から太鼓が求められて来たことは「人と人をつなげるコミュニケーションツール 」であることです。繋がりが希薄になりがちな現代社会ですが、太鼓を通して人と人とがつながる文化を作っていきたいと思っています。

三浦ユーキ
三浦ユーキ

海外からの注文はありますか?太鼓ブームとは言われていますが。

三浦和也さん
三浦和也さん

少しずつですが海外からの注文も増えています。”WADAIKO”で通じるくらい愛好家が増えていますよね。デンマーク・ハワイ・アメリカ本土・香港などへ出荷しました。

三浦ユーキ
三浦ユーキ

海外の人が独特のイントネーションで「わっしょい」なんて言ってると嬉しいですよね(笑)
三浦太鼓店さんの太鼓は華やかデザインだったり、メタリック塗装のオーダーメイド太鼓を作ってらっしゃいますよね?

三浦和也さん
三浦和也さん

昔は男性の太鼓奏者が多かったのかもしれないのですが、現在では女性の太鼓奏者もかなり多いです。太鼓は男性的なイメージが強かったので、女性らしい太鼓があってもいいのではと思いました。
女性メンバーに聞いてみた、きらびやかでデザイナブルなものや、ネイルのように華やかな太鼓が欲しいとの声がありました。
考えてみればそもそも太鼓にデザインすること自体、今までなかったんです。

舞鼓-maiko-
舞鼓-maiko-
 “担ぐ”のではなく、帯の様に腰に“締める”ようにして使用。
三浦ユーキ
三浦ユーキ

太鼓屋を経営していく中で困ったことなどあったりしますか?

三浦和也さん
三浦和也さん

後継者不足でしょうか。物作りをする中で、外の職人さんの手を借りることが必要な時があります。無くなってもいいもの、代用品があるならまだしも、そうではないものが多い業界なので。

三浦ユーキ
三浦ユーキ

ちなみに・・・・三浦太鼓店の後継者は?

三浦和也さん
三浦和也さん

息子が4人いるんです(笑)
誰かが継いでくれたらいいなと思っています。

三浦ユーキ
三浦ユーキ

4人もお子さんいらしたら安心ですね!
和太鼓の演奏スタイルとして「組太鼓(太鼓アンサンブル)」が主流になっていますが、太鼓店としての音作りはどのようなことを意識していますか?

三浦和也さん
三浦和也さん

音のバリエーションを増やすことは意識していますね。

三浦ユーキ
三浦ユーキ

商品の太鼓に特徴的な名前が就いていますが、どなたが考えているんでしょうか?また、どうして特徴的な名前を付けているんですか?

三浦和也さん
三浦和也さん

商品名は私が考えています。マーケティング戦略の一つですね。いいものを作っていれば売れるという時代は終わったと思っていますので。

三浦ユーキ
三浦ユーキ

ドラムメーカーが参入してきたり、人工皮の太鼓があったりとしますが老舗太鼓メーカーとしてはどう感じでいます?

三浦和也さん
三浦和也さん

それだけ市場があって業界が賑わっているとうことなので、いいことだと思っています。

三浦ユーキ
三浦ユーキ

(懐が広い・・・)
三浦太鼓店さんって和太鼓業界のアップルみたいだなーとお話伺っていて感じました。
六代目!今日は本当にありがとうございました!

三浦和也さん
三浦和也さん

こちらこそありがとうございました。

写真!

写真じゃわかりにくいですが巨大ミシン
太鼓カバーも自社で製造。
和太鼓界のジョニー・アイブ 平尾さん

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